ドロ痛α様に狙われて


 振られる覚悟をビシッと決められるほど、私は心が強くない。

 でもちゃんと顔を見て話したい。

 重い足を運び、私も窓際にすすんだ。

 東条くんの真横に並び、東条くんに体ごと向ける。


「あっあのね、東条くん……」

「ごめん、今は無理」


 あからさまな拒絶。

 顔を私とは反対側に向けられちゃった。


「すぐに話は終わるから、ちょっとだけ私の話を聞いて欲しいんだけど」

 
「来た……時間差で……」

「え?」

「どうしてくれるの?」

「東条くん、何の話?」

「嬉しすぎて、ハズいくらい顔がゆるむんだけど」


 手で口元を抑えている東条くん。

 耳まで真っ赤になっているような……



「俺だけに噛まれたい。俺と死ぬまで番でいたい。歌夜がそう思ってくれてるって都合よく受け取るけど、本当にいいの?」


 
 えっと……

 
 よくないです。

 本当に困るんです。

 そんな甘い言葉を囁かれたら。


 大好きな総長様の照れは、私の心臓に悪すぎるみたい。

 心臓の過労でキュン死してもおかしくないほど、ハートが暴れまくってしまうんだ。