ドロ痛α様に狙われて


 次に東条くんの口が開くときは、私がふられる時だろうな。


 『今まで歌夜のメガフェロモンに、惑わされていただけだった』

 『絢人先生を介抱すらしないオメガに、俺は心底がっかりした』

 重いため息まじりで、絶縁宣言をされてしまうのかもしれない。


 恋って本当に残酷だと思う。

 好きな人を追いかけているときは、ドキドキのしまくり。

 優しくされただけで舞い上がって。

 喜んで。

 心臓が飛び跳ねて。

 幸せな未来を期待して、独り占めしたくなって。


 でも失恋したら、天国から地獄へ真っ逆さま。

 振られた悲しみに耐えきれず。

 カッターの刃でめった刺しにされたような激痛に襲われ、心が痛めつけられてしまうんだ。


 東条くんはまだ、無表情のまま外を眺めているし。

 私からサヨナラを告げた方がいいのかな?


 告白しちゃったけど、やっぱりただの同級生でいいです。

 東条くんへの恋心は、消し去るようにがんばるね。

 ポニーテールが大揺れするくらいの、とびりの笑顔を添えて。