☆歌夜side☆




 オメガの私でも恋がしたい。

 フェロモンに惑わされない本物の恋を。

 それなのに……





歌夜(かよ)のオメガフェロモンが、俺を誘惑してくるんだけど」

 
 私を見つけるやいなや、生徒会長でもあるドS総長様は


「とりあえず俺の(つがい)になれ!」


 ワルっぽく強引に、私の肩を抱きしめてくるし。



「すごく眠い…… カヤの匂いがないと安眠できない……」


 お昼寝大好きキュート系王子は、大あくび。

 瞳を閉じながらフラフラやってきて、私の肩に頭をことん。


「俺の抱き枕……むにゃむにゃむにゃ……」


 そのまま夢の世界へってことが何度もあって。



「この世のみーんなが俺の恋人。だ・け・ど、オメガの歌夜(カヤ)ちゃんだけは特別だからね」


 今をトキめく売れっ子モデルは、私と視線を絡めては極甘ウインク。


「早く俺に沼ってね」


 と、飛ばされた投げキッスは数知れず。