整った顔に見つめられ否応なしにドキドキしていると、相楽くんの手が再びこちらへと伸びてきた。


するっ。


「え!?」


相楽くんは、私のポニーテールのヘアゴムを外した。


「さっ、相楽くん!?」


ちょっと、なんで外すの!? 朝からせっかく頑張って結んだのに。


私がヘアゴムを取り返そうと手を伸ばすと、ゴムを遠ざけられてしまう。


「これは、俺が預かっとく。小嶋、今日からポニーテールにするの禁止な」

「はい!?」


一方的にそれだけ言うと、相楽くんは席を立ち教室を出ていってしまった。


ヘアゴムを取られた上に、ポニーテールにするの禁止って……。


どうしてそんなことを言うの?


どうして意地悪するの?


相楽くん、意味分かんないよ。


ほんとに双子? って思ってしまうくらい、陸斗くんとは正反対だ──。