ファーストキスを返して!

「どうしたの?」

仲のいい結衣が私の膨れっ面を見て、話しかけてくれた。

「聞いてよ!お姉ちゃんたら…」

私は今朝の愚痴をこぼした。
それから、今までのことも。

ファーストキスを好きじゃない人に奪われただけで、人生が狂ったなんて、ありえないかもしれない。

それに、子どものうちのファーストキスなんてカウントされないよ!と明るく考えた時期もあった。