ここまでお付き合い頂き、ありがとうございます。
 昨日、恋愛以外のものをもっと書きたいという旨の投稿をしましたが、このお話は、別に以前からあたためていたものでも何でもなく、今日、突然思いついたものです。
 もっと短い話にするつもりが、思いのほか長くなってしまいましたが、勢いでその日のうちに書きあげました。
 まさに、恋愛皆無の青春、青春の痛み、という内容になりました。
 実は、このラストシーンは、最後の最後に思いつき、タイトルも“エリカ先生への手紙”から大幅変更。
 最初は、章が全くなく、おまけに1頁のみで終わらせました。
 ただ、あったほうが読みやすいのかな?と思い、あとで手直ししたのですが、章タイトルからネタバレになりそうなので、やや曖昧な章タイトルにしました。
 高校1年生、2年生、そのあとがないので、モノローグの途中に出てくるザナドゥ(桃源郷)、やけに唐突なスウェーデン語のStjärnornaは、好きなスウェディッシュポップのタイトルで、意味は、星の複数形(※とてもハッピーな曲なので、このお話との関係は全くありませんが)。
 ガンというと、叔母や友人のお母様などがそうだったように、数年から10年かけて…という印象がありましたが、末期になるまで何の症状も出ないのは、うちの母がそうでした。
 最期が在宅で、毎日何度も医療や福祉関係者が出入りし、痛みをとるために麻薬の点滴だけというのも、母の例を参考に書きました。
 自分の中では、取り扱い注意テーマだったのですが、若さゆえの残酷さと、生涯消えることのない後悔を描きたいと思いました。
 主人公が悔やみ続けるだけで、救いのないエンディングにしようとも思いましたし、そのほうがよかったのかもしれません。
 ファンタジー要素を入れると、捉えようには、かなりご都合主義になってしまいますから。
 個人的に、死後の世界はないと思ってはいますが、臨死体験をした人も結構いらっしゃいますよね。
 ただ、このラストは、主人公にしか見えていない、聞こえていないことでもあり、本当にそんな奇跡が起きたかどうかは、ご想像に委ねます。
 イッヒロマンだと、主人公以外の心情はセリフ以外で描きようもないので、主人公の独り善がりと思われたらそれまでの話ですが、後悔しながらも、主人公は救いが欲しかった筈なので。
 宗教において死後の世界があるのも、やはり救われたい気持ちからでしょうし、私の場合は逆に、自分の死んだあとには、無になることを信じたいというのもありますね。
 またお目にかかれると幸いです。