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昼休み、俺は海斗のいるB組に向かった。

「海斗いる?」

そう聞く俺に、海斗なら部室行ったよ

と誰かが教えてくれた。

部室にいるのか。

俺は部室に向かった。


部室のドアを開けると、

海斗は1人で昼ごはんを食べていた。


「翔、、、お前なんでここにいるんだよ。」

「おいおまえ、俺のこと避けてねーか?それにお前、何があっても部活は休んじゃダメだろ!」

「翔、ごめん、、、俺、、、」

そう言いかける海斗に俺は言う。

「全部聞いた。」

海斗は顔を上げる。

「お前どう言うつもりなんだよ。」

そういう俺に海斗が言った。

「俺、優佳のことが好きなんだよ。お前よりも前から。廊下でお前たちに優佳のこと紹介された瞬間から、、、。」

俺は全然知らなかった。

「なんでお前、俺に教えてくれなかったんだよ。」

「だって、優佳はどう見ても翔の事が好きだったから、言えなかった。」

「だから俺のこと裏切って、優佳と寝たってか?」

「それだけじゃない。お前は全然優佳のこと好きじゃなさそうだったから、本気で俺の所に来て欲しいって思ったんだ。もし翔と優佳が上手くやってたら、俺も優佳にあんなこと言わなかったと思う。」

「俺たち、上手くやってるだろ?!」

そう言う俺に海斗が怒鳴った。

「お前は全然優佳のこと見てねーじゃねーか!!優佳がどれだけ辛い思いしてたかわかってるのか?!」

優佳はそんなに辛い思いをしていたのか?

「お前はいつも野球のことばっかで、いつも優佳よりすずの事ばっかりだっただろ。」

は、すず、、、?

「てかお前、いつから日野の事名前で呼んでんだよ。それに、すずがなんで出てくるんだよ。すずは今関係ねーだろ!」

海斗がふっと笑う。

「ずっと前からだよ。お前、そんな事にも気が付かねーだろ。しかも、すずのことだけ下の名前で呼んで、他の女は全員名字呼び。優佳、付き合っても私の事名前で呼んでくれない、って寂しそうに言ってたよ。」

そんな事今まで気が付かなかった。

そう言われてみれば、

確かに俺はすず以外の女を

下の名前で呼ぶことはなかった。

「それにお前、すずは親友だって?笑わせてくれるよ。お前、すずのこと好きなんだろ?」

「は?!!俺がすずを好き?!笑わせてくれるよ!!すずは俺の親友で、俺が好きな訳ないだろ!!」

また海斗が笑った。

「お前、自分でも気づいてねーのな。そうやって、親友親友って言って、自分にそう言い聞かせてるだけじゃねーの?それにお前、一回でも優佳に好きって言ってあげたことあるのか?」

そりゃあるよ!そう言おうとして俺は何も言えなかった。

俺、日野に好きって言ったこと、、

あるのか?

「ないんだろ、優佳が悲しんでたぞ。お前、俺に優佳取られたくないんなら、もっと優佳のこと大事にしろよ!じゃないと俺が奪うぞ。それに昨日のことは俺が始めたことで、優佳は優しくて断れなかっただけだと思うから、優佳を責めないでやってくれ。」

翔、裏切る様なことして本当にごめんな。

そう言って、海斗は部室を出て行った。

そうか。

俺が日野に悲しい思いをさせてしまってたんだ。

日野の事、もっと大事にしてやらなきゃ、、、。

そう思っていたが、

さっき海斗に言われた事が

頭から離れなかった。


俺が、すずのことが好き??

ありえない、、、よな?