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次の日の朝、俺はいつも通り朝練に向かう。

珍しく、海斗が来ていなかった。

「おい、松村がいねーぞ。」

監督が言う。

「今朝、体調が悪いので朝練を休むと連絡がありました。」

すずが言う。

「あいつ大丈夫なのか?俺には連絡なかったぞ?なんかあったらいつも俺に1番に連絡してくるのによ。」

そういう俺に、すずは何も言わなかった。

朝練が終わり、すずと一緒に教室に向かう。

日野の姿をみつけた。

「おっ日野。おはよ。」

「し、翔くんっ。おはよう。」

日野はそう言うとそのまま先に教室に行ってしまった。

「翔ごめん。私も先行くわ。」

そう言ってすずも俺を置いて行ってしまう。

教室に着いたけど、2人の姿はなかった。

またあいつら屋上行ってるのかな〜。

そう思って俺は屋上に向かった。


ドアを開けようとして、ドアにかけた手を止めた。

「翔が知ったら、どんな気持ちになると思う?!!!」

すずの声が聞こえた。

すずが、、怒ってる、、、?

いつもどんな時でもみんなに優しいすずが、

こんなに怒っているのを見るのは初めてだった。

怒られているのは、、、

気づかれない様にドアをそっと開ける。

日野だった。

「すずに私の気持ちはわからないよっ」

日野が言う。

「わからないよ!私には優佳の気持ち、全然わからないよ!!どういうつもりでそんな事したのよ!」

「私もわからない。でも寂しかったのっ。」

ギィィ

やべっ、ドアをそっと閉めようとしたら

音が鳴ってしまった。

バレた。

「翔、、、」「翔くんっ、、、」

2人の声が重なる。

「翔くんっ、本当にごめん、わたしっ」

そう言って日野が泣き出した。

「こんな風に翔に伝えるつもりはなかったんだけど、ごめん、関係ない私が、、、。」

そういうと、私は先行くねと言って

すずは屋上を出て行った。


何が起こっている?


「翔くんっ、わたしっ、翔くんを裏切っちゃった。」

「ん?裏切った?どういう事?」

日野は、昨日あった出来事を全て話してくれた。

昨日打ち上げが終わった後、

もう夜遅いからって

海斗が日野の家まで送って行ったらしい。

日野は今家に誰もいないからうちに上がって

もう少し話さないかと海斗に言って

2人はそこから2時間くらい喋っていた。

喋っていた内容は俺の相談だったそうだ。

日野はそこで辛くて泣き出してしまって、

それを見かねた海斗が日野を抱きしめた。

それで海斗が、俺じゃダメか?って言って

2人はそのまま一夜を共にしたらしい。

要は、ヤッたって事だ。


は?ちょ待てよ。意味わかんねー。

まずなんで日野は、

俺の親友である海斗を、家にあげた?

んでなんで海斗は、ノコノコと

俺の彼女の家に上がったんだ?!!

頭がこんがらがっていた。


「翔くんっごめんなさい。私、翔くんの親友だから海斗くんはうちにあげても大丈夫って思ってたのっ。家に誰もいなくて、1人になったらまた翔くんの事考えちゃいそうで、寂しくてっ。」

「俺のこと?俺の事でなんか話あるんなら、俺に直接言えばいいだろっ!」

強く言ってしまった。

「日野、、ごめん、、、。強く言いすぎた。」

日野はただただ泣いていた。

「ごめん、日野。1人にしてもらってもいいか?」

「、、、わかったよ。でも私が翔くんの事が大好きなのはわかって欲しいっ。海斗くんにもそう伝えたし、、、。翔くん、本当にごめんね。」

そう言って日野は屋上から出て行った。


俺はどうすればいいんだろうか。

日野に裏切られた事もだけど、

海斗に裏切られた事にはもっと傷ついた。

海斗は中1の頃からの親友だ。

なんですぐに俺に言ってくれなかったんだろう。

だから今日の朝練休んでたのか?

訳がわからなかった。