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翔くん、もう私のことなんてどうでもいいのかな?

翔くんは怪我をしてしまってから、

私と距離をとっているように見えた。


翔くん、寂しいよ、、、。

でもそんなこと翔くんに言ったら、

別れよって言われちゃう気がして、

翔くんには何も言えなかった。


そんなある日、

教室で文化祭の準備をしていると

翔くんからラインが届いた。

"話があるから屋上に来て欲しい。"

私、振られちゃうのかな、、、

でも翔くんに呼ばれたんだから早く行かなきゃ!

そう思って私は屋上へと走る。


屋上のドアを開けようとして、

私はその手を止めた。

なんて話してるのかまではわからないけど、

屋上から翔くんとすずが

楽しそうに話している声が聞こえた。

あの2人も喧嘩してるみたいだったけど、

仲直りしたんだ。

心がモヤモヤして、

私は急いで翔くんにLINEする。

"今向かってるからもうすぐ着くよ!"

すずと話してほしくなかった。

もしかして翔くん、すずと付き合いたいから

私を振ろうとしてるのかな?

そんなことまで考えてしまった。



ガチャッ


「あ、優佳、、、。」

「す、ず、、、。」

私たち2人に気まずい雰囲気が流れる。

どうか私たちの気まずい雰囲気に、

翔くんが気付きませんように、、、


私は最近翔くんの事で海斗くんと

よくラインをしていた。

そんな風に毎日私たちがラインしていることを

すずはよく思っていないみたいで、

「何かあるなら、こそこそ裏で話すんじゃなくって、翔に直接いいなよ。」

そう昨日すずに言われた所だった。

「私はすずみたいに強くないから、直接翔くんに言えるわけないよ。」

そうすずと言い合いをしてしまってから、

すずと私は一言も話していない。



「じゃあ優佳、翔、また教室でね!」

すずはそのまま屋上を出て行こうとした。


「すず!」

そんなすずを翔くんが呼び止めた。

「すず、ありがとな!」

ズキンッ

そんな事にも私は嫉妬してしまっていた。


「日野。話があって呼んだ。」

「は、話って何かな?」

私、このまま振られちゃうのかな。

そう思っていたら翔くんが話し出した。

「俺、怪我してから自分にイライラしてて、野球のことで頭がいっぱいで、、、日野は関係ないのに、、、本当にごめん。俺、こんなんでも日野のこと本当に大切に思ってるから。だから許して欲しい、、、。」

あ、、、

翔くん私と別れたかったわけじゃなかったんだ!

本当によかった!!

そう思う気持ちと同時に、

でも、じゃあ、私を屋上に呼ぶ前に

すずを屋上に呼んで、

先にすずと仲直りしたの?

私は翔くんの1番じゃないの?

そんな気持ちが押し寄せてきて、

泣きたくなった。

でも翔くんにバレないように笑顔で言った。

「よかったぁぁあ〜。話があるって言うから、私振られるのかなって思った。」

そう言うと翔くんは私を強く抱きしめてくれた。

それだけで、さっきまでの悩みなんて

どうでも良くなった。

「日野、こんな俺と付き合ってくれてありがとな」

翔くん、私の方こそありがとうだよ。

やっぱり私、翔くんが隣にいてくれるなら、

もう何でもいい。

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________待ちに待った文化祭

翔くんが一緒に回ろって言ってくれたから、

本当に楽しみにしてた。


翔くんがどこに行きたいか私に聞いてくれて、

私は翔くんとくっつきたかったから、

お化け屋敷に行きたいって言った。


「南雲先輩、、!と、すず、、、。2人で回ってんの?」

翔くんがびっくりしたように言う。

先輩に挨拶もなしに聞くなんて、

翔くん相当びっくりしたんだろうな。

そんなことを考えながら上の空で会話していたら、

なんか4人でお化け屋敷に入ることになってしまった。

翔くんと2人で回りたかったのにな、、、


「「ギャァァァァーーーー」」

翔くんとすずが叫ぶ。

私も本当はお化け屋敷なんて怖くて大嫌いだけど、

翔くんのことばかり見てたら

お化けなんて目に入らなくて、

全然怖くなかった。


翔くんとすずが2人で抱き合いながら逃げ回っていた。

それって、私のポジションじゃないの?

お化け屋敷の中で本当に泣きそうになった。

でもみんなにバレないように、

私は南雲先輩に合わせて笑っておいた。


「「ごっごめん」」

抱きしめあっている事に気づいた翔くんとすずが、

お互いに謝っていた。

2人がわざとそうしてるんじゃない

そう分かってるけど、

それでもすずにイライラしてしまった。

その後も翔くんとすずがビビりすぎて、

2人を真ん中に、4人で手を繋いで

ゴールまで行く事になった。

翔くんの左手は、私の右手をぎゅっと

握りしめてくれていた。

同じように翔くんの右手は、

すずの左手を強く握りしめてるのかな。

そんなことを考えていたら、

お化けなんて全く怖くなくて、

あっという間にゴールに着いた。


「はぁーーーー怖すぎたぁ、、、」

そういう翔くんに、

私の気持ち気づいてよって言う気持ちと、

翔くんが怖がりっていう

新たな一面を知れた嬉しさで

複雑な気持ちになる。



「じゃ、俺と高原はここで。ちょっと高原に話あるから。」

そう南雲先輩が言う。

私はまた翔くんと2人きりで回れる!と思って

心の中で南雲先輩にお礼を言った。

そんな私とは対照的に、

翔くんは2人の後ろ姿を切なそうに見ていた。

それからは翔くんと2人で回れて

私はすごく楽しかったけど、

翔くんはどこかずっと上の空な気がした。

翔くん、私の事だけを見ていてよ。

そう思ったら切なくて辛くて、

どうにかなりそうなだった。


翔くん。

私、あなたが好きすぎて苦しいよ。


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