2度目の夏。

俺はベンチ入りすらせず、

甲子園への夢はあっけなく終わった。

俺たち表洋学院は甲子園はおろか、

地区大会の準決勝すら進出出来なかった。

また俺のせいで甲子園に行けなかった。

そう思えば思うほど自分にイライラしたし、

毎日が本当につまらなく感じた。


あの日からすずとは一言も話してないし、

なんなら日野とも話す気になれなくて、

毎日の夜の電話をしない日も増えていた。


ある時海斗が言った、

「お前さぁ、すずにも優佳にも、その態度はねーんじゃねーの?すずは、あいつだって悔しかっただろうに、悩んで悩んで、お前の為をおもって工藤監督に言う事を選んだんだろうし、優佳なんて、お前の野球がうまく行かないことに、カンケーねーだろ?」

俺もそれはよくわかっていた。

でもすずにあんな事を言った後で、

なんて話しかければいいかわからなかったし、

日野に関しては、気持ちがなくなったとかではないけど

野球の事で頭がいっぱいで、

日野の事を気にかける余裕は今の俺にはなかった。