それから数日、、、

今日は12/14。俺の誕生日だ。

まぁ俺は彼女もいないし、特に予定はないが。

今日もいつも通り練習を終えて教室に向かう。

朝練が終わってトイレに行きたすぎて、

海斗と鈴を置いてきてしまった。

無事にトイレを済ませ教室に向かっていると、

「翔くん!」

声をかけてきたのは日野だった。

「翔くんお誕生日おめでとうっ!」

そう言って俺に紙袋を渡してくる。

「え、俺にくれんの?」

「そうっ!私が翔くんのためにマフラー編んだんだよっ!この前屋上で首元寒そうにしてたでしょ?世界に一つだけのマフラーだよ。」

そう言うと紙袋から紺色のマフラーを出して、

俺の首に巻いてくれる。150cmちょいの日野が

頑張って背伸びして俺の首に巻いてくれる姿は、

いくら女に興味がないと言っていた俺でも、

かわいい、、、と思ってしまった。

ドキドキ

「日野、お前が男達に人気な理由わかったわ、おまえかわいいな。」

やべ、、、

思った事をすぐ口にしてしまう俺は、

気づいた時には心の声が口に出ていた。

「し、翔くんっ、わたし、、、私翔くんのことが好きっ!私と付き合ってくれませんか?」

俺の首元に手をかけて背伸びをした状態で日野が言う。

は?日野は俺が好きだったのか?

そんなそぶり全く無かったじゃねーか。

「本気で言ってるのか?」

「う、うんっ、私ずっと翔くんの事が好きだよ。大好きだよっ」

そう言って真っ赤な顔をしながら

恥ずかしそうに俯く日野。

流石に可愛すぎるだろ。

まさか、学校1モテる日野が

俺の事を好きだなんて思わなかった。

「俺でよければ、付き合ってみる、、か?」

考えることもなく、俺は答えていた。

「いいの?!嬉しい!!ありがとう翔くんっ!!」

そう言って俺に抱きついて来る日野。

突然のことにびっくりしたが、

こうして俺は人生初めての彼女が出来た。

相手は学校1の美女だった。



向こうから海斗とすずが歩いて来る姿が見えた。

日野は2人に気づいて、咄嗟に俺から離れる。

「わ、私、先に教室行ってるねっ」

そう言って日野は教室に入って行った。

「すず、翔、また後で練習でな。」

そう言って海斗は自分の教室に入っていく。

「おう。すず、おつかれ。トイレ行きたすぎて先に来ちまったわごめん。」

すずは手に紙袋といちごオーレを持っていた。

「その紙袋、もしかして俺に誕プレ?お前が俺の誕生日覚えてくれてるとはな、、俺は嬉しいぜ」

そう言って俺が紙袋を貰おうとすると、

すずは咄嗟に紙袋を自分の後ろに隠した。

「なに自惚れてんの!こ、これは私の着替えが入ってる紙袋!」

はい。そう言って俺にいちごオーレを渡してきた。

「おま、これ絶対自分に買ったいちごオーレだろ。さてはお前、親友の俺の誕生日忘れてたな!!」