捨てられたはずの私がクールな御曹司に溺愛される話。

トントントン…。

ん…?

肩を揺さぶられている感じがしてそれが心地よい。

「……い。」

あれ…?
なんか呼ばれている気がする。

「…おい。」

「…!!」

「お前、こんなとこで何してる」

びっくりした…。
いきなり起こされたのもだけど、声をかけてる男の人がすごく綺麗な顔立ちをしているから。

「…聞いてるか?」

はっ、ぼやぁ〜と考え事してたっ!

「きっ、聞いてますっ!」

「…じゃあ、もう一度聞くが、お前はここで何している?」

「……。」

どうしよう…。ここで正直に答えるべきかな…。
帰る家がありませんって…。
でもそんなことしたら美智子さまたちの顔に泥を塗ることになってしまう…。
それだけは避けなくては…!

「ぽかんとした顔の後はダンマリさんか。聞かれたくない事なのか?」

「…っなんか、夕焼け綺麗だなぁって思ってたら、寝ちゃってました…。」

適当に嘘ついてみたけど、どうだろ…!

「お前そんなわけないだろ。嘘つくならもうちょいまともな嘘つけ。」

ガーン。
簡単に見破られてしまった。
どうしよう…。なんて言おうかな…。