捨てられたはずの私がクールな御曹司に溺愛される話。

ーーーガチャリ…。

玄関のドアが開いて、2人の声が聞こえてきた。

「もう、ピアノの先生が倒れて病院に入院中なんて聞いてないわ。」

「仕方ないわよ、お母様。きっと忙しくて伝える暇がなかったんだわ。」

あれ…?ピアノの教室に行ったはずなのになんで帰ってきたんだろう?

そんなことを考えていたらリビングのドアが開いた。

「あー、疲れたわ。鈴、温かい紅茶を用意しなさい。」

「はっ、はい!」

ダイニングテーブルを掃除していたため、急いでキッチンに向かった。

カシャリ…。