「ほんと!? やる!やりたい!」

一瞬でさっきまでの不満だらけの顔に光が宿り始めた。

こんなことで喜んでくれんだな。

かわいいな、と思って軽い笑いが込み上げた。

「ん。約束な」

「うんっ!!」

小指を差し出してきたので、それに自分のも絡めた。

まぁ、ちょっと三波に呼ばれただけだし、なるべく早く帰ってきてやるか。

「お兄ちゃんバイバーイ!くたくたくまさんと待ってるねっ」

「ん。バイバイな」

玄関先でくたくたくまさんを抱きしめるまほに見送られ、倉庫に向かった。

***

バイクを走らせ、数分。

倉庫に到着した。

俺が来た途端、下っ端達はピッタリと揃って頭を下げた。

「総長!お疲れ様です!!」

「お疲れ様です!!」

別に俺が来たらこうしろって教えたことは1度もないけど、上下関係が激しいこの世界。

これがもはや、暗黙の了解になりつつあった。

「ん。お疲れ」

さらに中には三波がいていつもより険しい顔をしていた。

「で?話ってなんだよ」

自らのポケットをガサゴソしている三波に尋ねる。

今日は三波から話があるらしく、ここに来たのだが…

また狂乱火のことか??