パパはいつも口癖のように

‪”‬どんな時でも笑顔でいるんだぞ‪”

‬って言っていた。

悲しいけど、天国にいるパパが安心出来るように前向かなきゃ!!

「着いたよ」

その声に顔を上げると【星川家】と彫られた表札が目に入り、さらに顔を上げると視界に収まりきれないほどの大きな一軒家があった。

わぁっ…、大きいっ…。

「妻が亡くなってからはずっと息子と2人で暮らしてるんだ。今日からここがまほちゃんのおうちだから、自分の家だと思って使ってくれていいからね」

孝宏さんも早くに奥さんを亡くしていて、パパと似た境遇みたい。

「こっ、このお城がおうち…? すごい…。お姫様になったみたい!」

「あはは、お城だなんてとんでもない〜。普通の一軒家だよ?」

素直な感想を言っただけだったけど、孝宏さんに笑われてしまった。

ここが今日から私の家…。

そういえば孝宏さんには私より4歳年上の息子さんがいる、って言ってたけど…、どんな人なんだろう。

仲良くなれたらいいなぁ…。

***

ガチャと玄関を開けた孝宏さんが脱ぎ散らかされた一足の靴を見て「…ったく。あいつ、また脱ぎ散らかしやがって…」と声を漏らしていた。