「…っう」

俺は、橘莉都(たちばな りつ)。

18歳。

俺がいるここは病院学校。

病院と学校が一緒になっている場所。

普通の学校に行けない人達が通う学校。


俺は、心臓あたりを抑えた。

そう……俺は生まれつき心臓が弱い。

強く心臓が痛み出したのは最近。


心臓発作を抑える薬……飲んだんだけどな。

死が近いのかもしれない。

寄りによって……今、なるなんて。俺……着いてないな。


医者には、心臓病と言われた。

あんまり……長くは生きられないと。

だけど、それでいいんだ。

だって……俺は……ずっと……死にたかったから。


「うっがはッ……はぁはぁ」

にしても、痛いし苦しいし辛い。

痛み今日激しくないか?

いざ、死の瀬戸際まで来ると……怖い。

死ぬのが怖い……


ドキンドキンドキンっと、心臓の波打つ音が早くなる。

俺は心臓あたりを抑えて地面に膝をついた。


「はぁはぁはぁはぁっがはっ」

過呼吸に近い呼吸になっていく。

息もしずらい。

このまま、俺は死んでいくんだ。


意識が遠のく……


その時、誰かの声が聞こえた。

「莉都!」


プツンっと、


俺はそこで気を失った。


ー ✯*✯ ー


「……ここは?」



「病室だ。体の調子はどうだ?」

「真道……先生?」

「あぁそうだ」

「それより……これは何?何されてんの?俺」

「壊れた心臓を治す治療だ。だから、今は静かに寝てろ」

「……」

「俺より先に死ぬのはどうかと思うが」


この人、最初の心臓発作で倒れた俺を治療してくれた医者の1人。

歳は30歳ぐらいだろう。

名前は、充希 真道(みつき まさみち)。

俺は真道のことその時から好きだ。

歳は多少離れているけど……な。


だから、死にきれないんだ。


好きな人がいるから。


俺は分かっていたのかもしれない。

本当に、長くはないと……


「後、どれぐらいかかるの?この治療」

「もう少しだ」

「ボーとしてるのつまんないっゴホ」

「ほら、あんまり喋らない」


ぷくーっと、頬を膨らませた俺。


俺に顔を近づけてきた真道。

チュッと唇にキスがそっと落ちた。


「!」

「好きだ。莉都(りつ)俺から離れて行かないでくれ」

真道は今にも泣きましそうな顔だ。

僕は真道の頭をポンと触れた。

「泣いたらイケメンな顔が台無しだよ?それに、俺も……真道のこと好き」

「治療が終わったら……旅行行こうな」

「うん……________」

眠くなってきちゃった。

俺は静かに目を閉じた。

最後に、頬に冷たい雫が落ちてきた。



俺は帰らぬ人となった。


開いていた窓から風がふく。

真道のデスクには、莉都と似たぬいぐるみが置いていた_______


ー……生まれ変わって、また……逢いに行くから……ー




BLUEEND💙