たとえこれが、何かの罠だったとしても。

「澤田、もうすぐ色別対抗リレーだよ」

「お、ほんとだ」

召集所に行き出番を待つ。

色別は、各団クラスで2名ずつ走る。

6人でバトンを繋ぐ、少人数リレーだ。

でも、これが盛り上がるんだよね。

「よっ。楓」

「うわ、西村先輩」

「うわってなんだよ。まあ、去年は敵で苦労させられたが、今年は仲間だからな」

去年は、西村先輩率いる青団が色別リレーで一位を制したのだ。

あと少しだったのに、西村先輩の活躍で…。

「こっちこそ、先輩のおかげで悔しい思いしたんです。ね?澤田」

「ああ、さすがサッカー部主将です」

「お、始まるぞ」

西村先輩の声と同時に、1年男子がスタートした。

今は赤団が一位だ。次は1年女子。

綺麗なフォームで走っていたが、カーブで転んでしまった。

その途端、会場に緊張が走った。

女の子は、すぐに立ち上がり走り出したにも関わらず、

「赤団負けたな」

「あーあ、一位だったのに」

「あそこで転ぶかな」

口々に文句を言われ、顔が引きつっている。

ふと、脳内に記憶が蘇る。

『人殺し』

『疫病神』

『死に損ない』