「お兄ちゃん…」

冷たい感触に目を覚ます。

顔に手をやると、涙で頬が濡れていた。

「この夢、久しぶりに見たな…」

前を向いて頑張ろうって決めたのに。

ベッドの上の時計を見ると、短い針が3を差していた。

「よしっ、勉強しよう!」

ベッドから起き上がり、部屋の電気を点ける。

ふと目に入ったのは、棚の上に飾ってある写真立て。

写っているのは、元気にピースをしている小さい頃の私と…。

「お兄ちゃん…」

お兄ちゃんは、カッコよくて優しくて、人気者で。