喜瀬川君は叫びだして、すっくと立ち上がると、また叫んだ。
「未来ーーーー!! 俺は、未来が好きだーーーー!! 俺と結婚してくれーーーー!!」
「!?」
河原の全員、犬まで彼を見た。
「な、な、バ……!」
情報処理ができない……!
なんて言った!? なんて言った!? なんて……結婚!?
私も慌てて立ち上がる。
「スタンディングオベーション! サンキュー! オッケーってことだよな?」
「は、拍手なんか……して、してない……」
犬の飼い主さんが、拍手してくれてる。
おっきな犬も嬉しそうにワンワン鳴いて……。
赤ちゃんと幼稚園児を連れたお母さんも、笑って拍手して……。
恥ずかしい。恥ずかしい。恥ずかしい。
でも……これは……。
夢じゃない?
でも、でも……だって……。



