「電話をかけてきたのは確かに清水さんだったんですね?」

遺体のそばにかがみこんだままの達郎が、あたしたちの会話に割り込んできた。

「はい、ご自分で名乗られましたから」

「ふうん…」

達郎は首と肩で傘をはさむと、その体勢のまま器用に手に黒い絹の手袋をはめた。