「で、~~~~~~~~~~~~でさ~」
「あははは!蒼ってば、何言ってるの~!」
こそこそと蒼が詩愛に体を近づけて話しかけると、嬉しそうに詩愛も笑い返す。
それを、私は、ただ見ているだけだ。
その距離、実に1m。
なぜか卒業間近なのに担任の先生が席替えをしようと言い出して、私は蒼と離れてしまった。
ーしかも蒼が好きなライバルの詩愛の隣の席で。
それだけで運が悪いのに、更に最悪なのは蒼の席の位置だ。
教室には3つの号車があって、2列に5人ほどが縦、横に6人ほどが座っている。
そして廊下側と窓側の席があって、蒼の席は一番後ろの廊下側。すみっこという言葉が適した場所だ。