『えぇ!しの、学園行くの?!』

「う、うんそうだけど…」

『素顔で?!』

「いや、お母さんが何か用意してくれてるって」

『何を?!…ちょっと待ってて、今からそっちに行くから!』

「え?…ちょっ!もしも~し!…切れちゃた」


しばらくスマホを眺めていると、チャイムがなった。

誰か来たのかなと思い、扉を開けると…莉乃がいた。


「えぇ!莉乃?!もう来たの?!」

「はっ、はぁっ…しの…!こ、これつかって…!い、いつかのために…作っておいたのっ…!」

「り、莉乃…!」


私のために…運動が苦手なのに…。

莉乃が、頑張ってくれたんだ。

私も、私も頑張らなくちゃ…!


「莉乃、ありがとう!私、仕事頑張ってくるね!」

「き、気にしないで…!わ、私が勝手にやってただけだから…!」