「予測で言ってもいいなら」
「いい、許可」

しもっちゃんが上に向けた人差し指をクイクイとさせながら私に許可を出す。

「昨日絡まれていた女の子が学園へ、アタシが他校生と喧嘩したって言った」
「アレ、寄付金が学園で3本の指に入るヤツだ」
「きぃちゃん、全部調べてあるんだ」

当たり前というきぃちゃんの視線を横からビシビシと浴びる私はじいちゃんにニッコリと笑っておく。

「そういう子の言うことは調べもせずに鵜呑みにしたんだろうな。動画提出するか?」
「ううん。じいちゃんに連絡が来たら停学の日数を聞いて受け入れておいてくれる?」
「大将、サユは休む気しかない」
「そうか、それでいい。停学明けに動画提出してやる」

じいちゃんがご機嫌でそう言うと

「学園長から担任まで何人もがサユちゃんに土下座だわね」

と今日は男性仕様のユキちゃんも笑う。

「そうなのかな?えーっ、それよりどうしよう」
「何が?」
「うん、しもっちゃん、あのね…永中の二人が名前を嘘言ったでしょ?」

ああ、タワゴトを思い出してヤバい。

「嘘だったら、永中まで行ってヤッていいってきぃちゃんと約束してたんだけど…それこそ本当に喧嘩って言われるよね」
「あっちから仕掛けさせて自己防衛、正当防衛っていうシチュを作ればいい」
「ああ、そうだね。しもっちゃんに任せる」

悪い顔をしたしもっちゃんと指切りして、1週間の停学というおうちパラダイス期間が始まった。