「え?邦親はこのまま星逢学園を卒業するの?編入する可能性も、チャンスも相談かなと思ってたんだけど。良かったら西名さんも一緒に…」
「ちょっとっ、三井さんっ、待って下さいっ」

クニチカのお母さんの言葉を遮ってガタガタッ…と立ち上がった学園長は

「こぉ…の、たびのっ…かぁ…ずかずのっ、失礼…失態…不行届につきまして…心より…ぉお詫び申しあげます。誠に申し訳ございませんでしたっ…」

と机に手をついて、その机に頭が付きそうなほど頭を下げた。同時に副学園長も同じく頭を下げると…あ…すごい…知らなかったな…二人のつむじハゲがコピーレベルで同じだ。ズンッ…じいちゃんが私の腕に軽く肘鉄するから“絶対口に出すな”と分かるので口をギュッと閉じておく。お願いの時にはまた“西名さん”と言ったクニチカがカッコいいと思いながら。

「あらららららら…」

ん?クニチカのお母さんの“ららら”後半は歌ってるの?

「西名さんのご家族も、こんな感じでよろしいですか?うちはもうこんな感じでいいですけど」
「ありがとうございます、三井さん。うちも十分です」

ん?クニチカのお母さんとじいちゃんでこの話は完結したの?

「学園長、来年のクラスいいですか?」
「約束するよ、三井くん。西名さんと同じクラスを約束する」
「ありがとうご…」
「サユの拒否権もあるけど?」

きぃちゃんが上着を着ながら言うと、ガバッ…クニチカが私の肩に両手を置いた。左右同時に捻りあげられるけれど、ここではやめておこ。