「引責減給ですか…それなら私から保護者会へメールを送るなどということは失礼ですね。学園としての決定でしょうから、当然、学園からの報告が先になりますよね」
「そうだね、個人から保護者会へのメールは控えなさい」
「そうするわ」
「邦親たちも早く授業を受ける方がいいに決まっているんだ。学園からの報告は今すぐにでも公になるだろう」

母さんと父さん、二人の会話だが絶対先生に言ってるよな。

「授業を受ける…生徒の本分ですからね」
「この時間にも紗友ちゃんとクニチカは損害を被っているんだわ」

追い討ちをかけるじいちゃんのあとに、頭をふりふりとしたユキちゃんは、今日は中性的なイケメンスタイルだが言葉は昨夜と変わらない。

「い…ぃま…ただいま…すぐに全保護者向けメールを配信します…っ…」
「よろしくお願いいたします、学園長」

父さんの言葉に合わせてさゆみんファミリーが座ったまま綺麗にお辞儀する。それから

「よし、サユ、クニチカ、授業出ていいぞ」

ときぃちゃんが立ち上がる。

「……クニチカ…出るの?」

さゆみんも立ち上がりながら大きく伸びをして俺を見る。

「アタシ、呼び出しで来ただけで…授業の用意してないから帰る」
「やりやがった…」

そう言ったのは下田さんで

「紗友美は確信犯」

じいちゃんが俺に呟いた。いやいや、さゆみんも半分は置き勉してるはずだから、みんなが騙されてるよ…うん?わざと騙されてるのか?