「細谷さんに問題があったことは把握している?…なら、最初の間違いはわざとなんだね…」

さゆみんのカワボがゆっくりと時間を巻き戻し

「そこは最後に掘り返してやろうと思っていたのに、今かよ…」

下田さんが呆れた声を出す。

「いえ、今でいいんじゃないですか?そこも含めて学園の落ち度、及び不始末であり失態だと思いますから」

父さんは決して大きな声を出すわけではないけれど、核心部をつく。それをさゆみんが

“クニチカはお父さん似かな?”

と思っていたとは誰も知らない。

「ぁのぉ…ですね…」

声を上ずらせた学園長は

「この度は貴重なお時間を…申し訳ありませんでした」

と頭を下げた。

「いえいえ、大切な子たちのことですから時間など構いません。お気にならず」

さゆみんのじいちゃんが

“謝罪はそこかい”

という気持ちを隠さずに返すと…シーン…おかしな沈黙と間が出来上がる。

「…学園内の乱闘を阻止出来なかった…引責減給…私ども3名の減給…」
「「はぁ?学園長っ?」」

副学園長と主任は寝耳に水だったのか…ウケる…顔、カオ。直季に見せてやりたい。こういうの大好きなんだよな。で…さゆみんは下を向いて…あくびな。安定の可愛さだ。