「そんなの当たり前」
「かもね。でもね、ナオキ、一応チェックしてくれる?学園内で刃物を振りかざすとかって、それは先生たちにも申し訳ないし」

同級生と話すよりもスラスラと説明するさゆみんのこれまでってどんなだ?武器なんて普通は思いつきもしない…って…はっ?

「あったっ」
「ヤバッ、こいつも」
「これもだよね、西名ちゃん」
「あ、それ…ナックルダスターだね。ダメ」

5人とも何かしらポケットから没収したところで

「全員が腰につけてるキーホルダーも取って」

とさゆみんが言う。

「小さいけどプラスチックは痛いか」
「違うよ、クニチカ。あれはスタンガン」
「「「「「「ぇええええぇ…」」」」」」「「「「サイテーッ」」」」

悲鳴か罵声か分からないけど、それを正季くんが止めるまでさゆみんは手のひらで耳を塞いだ。静かになったところで彼女の頭をポンポンとすると

「LEDライトとか付いている手のひらサイズのスタンガン…小さいから弱いけど女の子が護身用とかに持つにはいいんじゃない?」

そう言いながらさゆみんが上着を脱いだ。

「スマホが落ちる」
「なるほど…俺も」
「その人たちのスマホも出しておいて。ケースに仕込んであっても嫌だし、ストラップが長いタイプなら首絞められるし」

……………………さゆみんの言葉はここにいる全員のずいぶん上を生きている………この沈黙を生み出せるさゆみんはスゴイよ。