私が真っ赤になりながら卵焼きを食べて、どのくらい時間がたったのだろう。

 私は恥ずかしいから真っ赤になってかたまってるし、海兎もなんか真っ赤になってかたまってるし…。

 …でもずっとこのままってわけにもいかないし…。


「ねぇ…」

「な、なに?」


 今がチャンスだと思った。

 告白、するぞ…!

 振られませんように…!


「好き…です。付き合ってください…!」

「えぇ!…いいけど、っていうか…俺も好きだし」

「や、やったぁ…!」


 ふ、振られなくてよかったぁ…。

 振られたら絶対に気まずいもん…!

 っていうか…。


「海兎も…私のこと、好きなの?!」

「あぁ、そうだよ!悪いか?」

「い、いや…違う…!うれしいの…!」


 付き合えるだけでもうれしいのに…、両想いだなんて…!


「本当に…うれしすぎるの…!」

「そ、そうかよ…」

「海兎は…、うれしくないの…?」

「ちげぇし!…うれしすぎて、これが夢なんじゃないかと…」

「こ、これが夢…?や、やだよ…せっかく両想いになれたのに…」


 海兎は…これが夢でもいいのかな…。

 私は、これが夢なんて…いやだよ…!


「ち、ちげぇし!!うれしすぎて、夢みたいだってこと…!」

「わ、私も…うれしすぎる、かも…!」

「っていうかさ、今日はなんでそんなに素直なの?」


 あ、やっぱりそれ聞くんだ。

 …あの作戦名とか、適当に決めたんだよね。

 まぁ、隠すほどの秘密じゃないし…。


「今日、エイプリルフールじゃん。だから今日くらいは素直になろうっていうか…」

「え…?俺も同じこと考えてたんだけど…」

「えぇ!…まぁ、さすが幼なじみってかんじ」


 まさか、海兎も同じことを考えてたなんてね。

 …まぁ、幼なじみだもんね。


「「あははははっ!」」

「な~んだ。結局考えてることは同じか!」

「あぁ、難しく考えてた俺がばかみたいだ」


「ね!」

「じゃあ、あらためて…。好きです、付き合ってください!」

「もちろん、よろこんで!」