満たされるのはいつなのだろうか。

一体、どれだけの人の血肉を見ればこの心は落ち着くのだろうか。



ことが終わったであろう現場を見渡す。

それは見るも無残な光景で、人によっては今後生きていくなかで何かのトラウマにでもなり得ない光景だ。


それなのに、私は興奮している。

胸が高鳴っている。


愛している、あなたが…



こんなにも赤い血に染まり、そしてその姿が、この世でいちばん美しいものだと思う。


「愛してる…」


私はその血だらけの、冷えきった体を自分の方へと抱き寄せる。


自分の手が、衣類が、赤くなろうと構わなかった。

やっと私のものになったと思った。



「さぁ帰ろうか。」



冷たくなった血だらけの、もう人形のようになってしまった体を私は、血が滲む絨毯へと放り投げた。

私は周りにいた護衛と共にその場を後にする。


「ふ、ふっ、ふはははははっ!!!!!」


思わず笑いが込み上げてくる。

自分でも不気味だと思った。



どんどん私を満たしてくれ…