実に不可解だった。



「な、なんと…、嘘だと言ってください」
「嘘ではありません。…我々の言葉に、まんまと引っかかったのは、あなた達の国でありましょう。」
「ひ、ひ、卑怯者!!!お、お前らなど、この共同連盟からの、つ、追放…」


「それをあなた方が言えるとでも?…決定権も無い国でありましょう?…ねぇ、王子」


少し右の口角を上げて、王子はニヤリと笑った。

「はい、その通りでございます。母上。」
「王子…わ、私を騙したのですね……」

静かに苛立ちを募らせる一国の姫。


なるほど。
全ての状況が大体把握出来た。

着慣れない他国の色の服を身にまとい、変装をしてここまでやってきた。

まさかこんなことになっていたとは。


はやく父上に知らせなければ。
私は護衛とともに自国へと帰還した。



「徹底的に調べあげろ。」