心臓の音がそれに合わせて、
トク トク トク…と合わせる。

ザザーッ ザザーッ 心地よい音

ザク サク サク サク…っと
砂浜の砂を靴に入れないよう
慎重に歩く。

でも こんな気分の日には、
思うように歩けない。

やっぱり
「疲れ果てて、何も考えられないせいだな」

右足の靴の中に
入ってしまった砂を感じながら、ぼそっと呟く。

ザザーッ ザザーッ ザザーッ
近くに国道も走っているが、車の音は全くしない。
波の音だけが心に染み渡る。

波打ち際にきて、波を見つめる。
ザザーッ ザザーッ
私はさらわれない程度の場所に腰を下ろす。