なにかが動いたような、空気が動くような気配。


でも部屋には私しかいない。


動くようなものは何もない。


汗がどっと出てきた。


「なんなのこれ?」


しばらく動かないでじっとして部屋の中に目を泳がせた。


なにもいないし、なにも動かない。


もう気配らしきものもない。


でも、自分の中の恐れは消えなかった。