ゆうなたち5人は丘の頂上へ来た。頂上はちょっとした広場になっていた。若い桜が咲いていた。
 「へえ」
 と、ゆうな。
 「ねえ、ここで、茣蓙ひかねえか」
 と、飛鳥。
 「賛成」
 と、ここな。
 5人は桜の木の下に茣蓙をひいた。お菓子やジュースを出した。
 「食べよう」
 と、芽亜里。
 「そうだね」
 と、ミナミ。
 5人はお菓子を食べた。
 「でも田沼のやろう、むかつくなあ」
 と、ゆうな。
 「ヤンキーだよね」
 と、ここな。
 「あんなヤンキーが書いてるなんて」
 と、芽亜里。ウルフちゃんのことだ。
 「あんな美少年が書くもんじゃない」
 と、ミナミ。
 「そうだ、田沼をペテンにかけよう」
 と、ここな。
 「ペテン?」
 と、ゆうな。
 「ペテンだよ、ペテン」
 と、ここな。
 「?」
 「嘘よ、嘘。今日エイプリルフールでしょう」
 と、ここな。
 「嘘?」
 と、ゆうな。
 「うん。田沼をペテンにかけるんだ」
 と、ここな。
 「でもどうやって」
 と、ゆうな。
 「うーん」
 と、ここな。
 「ねえ、こういうの、どうかなあ。ゆうなが田沼に告白するとか」
 ゆうながお菓子を食べてる途中、噴出した。
 「お、おい」
 と、飛鳥。
 「あ、ごめん。ちょ、ちょっと待ってよ、なんで私が、田沼に!!!!!おえー」
 と、ゆうな。
 「あ、違う、違う。ペテンだよ、ペテン」
 と、ここな。
 「ペテン!」
 と、ゆうな。
 「だから、田沼にゆうなが告白するふりをするんだ」
 と、ここな。
 「ふむ」
 と、ゆうな。
 「で、田沼をその気にさせる」
 と、ここな。
 「ふむ」
 ゆうな。
 「で、田沼がまんまとペテンにひっかかったところで、うちらが出て行って、ネタ晴らし」
 と、ここな。
 「ペテンにまんまとひっかけられて田沼は著しく羞恥するんだ!」
 ここなはつづけた。
 ゆうなはにやっと笑った。
 「それいいね」
 「ゆうなに告られて、いい気になった田沼はあ、不審者に決定する」
 と、ここな。
 5人は笑い転げた。
 「やろうよ、それ」
 と、飛鳥。
 「うん」
 と、ゆうな。