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「恋奈先輩、大丈夫ですか?」
「うん、何とか。成沢くんはもうダメ?」
「はい、始まった途端に目眩起こしてました」
「あはは……」
ついに始まった噂の悪夢、当日。
たしかに、これはトラウマになるくらいの盛り上がりっぷりだ。
三年生の人たちの瞳に火が付いていて、燃えまくっている。
無事に卒業式が終わって、今は解散までの自由時間。
まあもう自由にやってくれと言わんばかりに先生たちは諦めのため息をついた。
なかにはいろんな意味で泣いている先生の姿も。
「ーーー恋奈先輩っ、これ差し入れという名のホワイトデーですっ!」
「わあ……美味しそう!ありがとね向葵ちゃん」
「いえ!先輩のためなら100個くらい平気で作れます!」
その意気込みはちょっと危ない気がするんだけど……。



