もちろん咲菜には今日も一緒に帰れなくてごめん、と連絡が入っている。 見た目通りの誠実さが滲み出ていると思うのだけど。 「……本当に浮気なんてする?」 「藤くんはしないよお……ぜったい」 信じる、と疑う、の狭間で揺れつつも彼に絶対的信頼を寄せている咲菜をじっと見つめる。 ……すごいな、咲菜は。 彼を絶対に信じていて、浮気なんてしないと確信しているよう。 この尾行は彼女にとって一応の確認なのだとか。あとは興味本位、尾行なんてたぶん人生でもうしないからと。