「なんか私、悧來に初めてあげてばっかりだ」 「……じゃあ、そのままでいてくださいよ」 「え?」 「先輩の初めては、全部俺がもらうんで」 「変な後輩だなあ」 「先輩に言われたくないです」 触れていた手からじんわりと熱が伝わって、私の腕は少し熱かった、かも。 たぶん、怪我のせい。