あの子と別れてからダッシュで教室まで戻った僕。



幸いな事に先生が来る前で安心したが相変わらずの視線の針がそこかしこから飛び交う。



とりあえず耐えろ、と自分に言い聞かせて席につき、先生が来るのを待った。



先生が教室に来てから入学式までの流れを聞いた後は、そこまでうるさくしなければ喋っててもいいとの事。



クラス内で数人で固まってる人もいたし…教室内が静まりかえることはないと思う。



先生の説明が終わって自由時間になるとすぐに僕の机の周りには女子達が集まってきた。



宮野くんって彼女いるの?とか休日何して過ごすの?とか…質問責めにあうのはあまり好きじゃない。1度で全部の質問を聞き取ってすぐに返せるわけではないから。



『──大丈夫だよ』



あの子の言葉が頭をよぎる。



きっと、大丈夫。自然とそう思えた。



「あのさ…、1人ずつ順番に質問してくれないかな。たくさん話しかけてくれるのは嬉しいんだけど1度になんこの質問も聞けないし答えられないから。」



「あ、そうだよねっ、ごめんね…!」



僕の意見に同意し、女子達が謝ってくれた。



気持ちが伝わったと思うと安堵したのと同時に嬉しくもなった。