『ほーら、また苦しそう』



彼女はそう言うと僕の頬に両手を添えて優しく彼女の方に向けさせられた。



『きっと大丈夫』



彼女のその一言とふわっと笑う顔にさっきまで感じていた窮屈さが溶かされていくのがわかる。



彼女に大丈夫、と励まされて本当に大丈夫なんじゃないかと思えてしまった。



「……うん、大丈夫」



そう自分に言い聞かせて立ち上がった。



またね、手を振る彼女に手を振り返して自分の教室まで駆け出した。



彼女にありがとう、と心の中で告げながら。