猫かぶりでも、 きみが好き。


「好きな人の事なんだから、いっぱい褒めさせてよ」


途端、呼吸の仕方を忘れたようにどくどくと心臓が早くなった。

こういうことをなんて言うんだっけ、と頭の中の引き出しを片っ端から開ける。

きらめき、とかなんかそんな感じで平仮名で。

ああそういえば今日の言語文化の小テスト難しかったなあ、なんて事も思い出しながら。


ぱかりと開かれた引き出しに、答えを見つけた。


そう、『ときめき』だ。


今の佐富の言葉に正真正銘ときめいた。

言葉にすると、なんともまあ高校生らしい響きだろう。

そんな言葉でも、今まで縁もゆかりも無かったはずなのに。

毎日、教室に入る度に何となく感じる視線とか。

グループワークをすることになった時のちょっとした疎外感や孤独感とか。