猫かぶりでも、 きみが好き。


至って平坦に、いつもと変わらない声で聞かれた。


「しんどくないよ。この私、嫌いじゃないからね」


例え、悪口を言われても。

例え、みんなに嫌われても。


いつもと変わらず、猫をかぶる。

相変わらずの微笑みで、弱いところなんて絶対に見せない。


演じきるのだ、私を。

まるで、ステージに立ったアイドルのように。


「だから、これで良いの」


これで良いんだよ、別に。


「…それに、私と付き合っても良いことないよ?」
 

もしも、私と佐富が付き合ったっていう事が周りに知られたら。


「女の子からは『えっ、』ってびっくりされるし。
男の子からは『なんの罰ゲーム?』って聞かれちゃうかもよ」


佐富も私と同じように嫌われちゃうかもしれない。

巻き込まれちゃうかもしれない。


「…それでも、私のこと好き?」 


佐富は、こんな私でも付き合っていいの?


「…他の子にヘアゴム貸してあげたりする所とか。
ついでにって髪の毛結んであげたりする所とか」


そして、佐富は言った。


「優しいでしょ、猫田さん」


面と向かって言われると恥ずかしい。


「かっ、可愛くなろうとする女の子な手伝ってあげたいし、」