そうだったとしたら、私は間違いなくこの想いをすぐにぶつけていただろう。


振られたとしても何回も何回も先生に告白をし続けて、私を見てくれるまで頑張っていただろう。



「…僕には彼女しかいません。どんな出会い方、歳の差があったとしても、僕は彼女と出会って恋に落ちる運命だと、そう思っています。それほど僕にとっての彼女は大切で大きな存在なんです」



…やっぱりね。そんな先生だからこそ、私は大好きなんだ。



「…だけど、もしも僕が工藤さんと同い年で、彼女と出会う前に工藤さんから想いを伝えられていたら、僕はあなたを選んだかもしれません。もしも、の話ですけどね」



そう小さく呟いた夏目先生に、私は自然と笑みがこぼれていた。



もしも、先生と同い年だったら。


先生の想い人になれたら。



そんなの考えていたらキリがないけど、私は信じている。


先生の隣で幸せそうに笑う私がいる、そんな世界だってきっとどこかにあると。