君の好きな人になりたかっただけ 〜報われない片想い〜

きっと先生のことだから、聞かれていないことは自分から話さないし、今まで言葉として気持ちを伝えなかったから私のことも拒絶しないで接してくれていたんだろう。


一人の教師と生徒として。



「…どんな人ですか?先生の彼女」


「…彼女は、百合の花のように綺麗で優しく笑う人です。僕のつまらなかった人生に光を差してくれた。高校から付き合っていて、来月には籍を入れようと考えています」



「まだ誰にも話していないから内緒ですよ」と付け加えた夏目先生は、今まで見たことがないくらい優しく笑った。


…そっか。夏目先生にはそんなに大切に想っている人がいたんだ。



「…ねえ、先生」



ずっと考えていた“もしも”の話。



「もしも、先生と同い年に生まれて同じ学校だったら、私のこと好きになってくれましたか?」