君の好きな人になりたかっただけ 〜報われない片想い〜

「あの、夏目先生ってもう帰っちゃいましたか?」


「いいえ、たしか職員室に用があるとか言って席を外されているだけで、もうすぐ戻ってくると思うわよ」



女の先生はこれから帰るのか荷物をまとめていた。



「放課後も会いに来るなんて、よっぽど夏目先生のこと好きなのねぇ」


「え、あはは、まあ…」



なんだか照れくさくて、そんな曖昧な返事を返す。



「でもね、今のご時世すぐにセクハラとかそういう問題に分類分けされて面倒なことになるんだから、あんまり夏目先生のこと困らせちゃダメよ?ちょっとかっこよくて同級生にはいないような大人だから、って理由であなたは先生のこと好いているだけなんだろうけど、その軽い気持ちが先生に迷惑をかけちゃうんだからね。もう少し距離感を考えて行動した方が私はいいと思うわよ」


「…はは、そんなのわかってます。大丈夫です」


「そう?それならいいんだけどねぇ」



先生は鞄を肩にかけると、私の横を通り過ぎて行ってしまった。