君の好きな人になりたかっただけ 〜報われない片想い〜

「ううん、付き合ってないよ」


「やっぱりそうだよね?この前駅前で、夏目先生が髪の長い女の子と歩いてるの見かけた気がして、もしかして工藤さん?ってずっと気になってたんだよね。なんだ、夏目先生と工藤さんのそっくりさんだったかー」



私と夏目先生が一緒に手を繋ぎながら歩いている…。


そんな未来を想像するだけで、幸せでにやけてしまう。



いつかそうなればいいのになぁ…。



「まあ普通に考えて、そもそも教師と生徒だしありえないか」



きっと酒井さんにはなんの悪気もなかったんだろう。


ただ思ったことをそのまま言葉にしただけだとわかっているけど、それでも酒井さんの言葉が私の胸に深く突き刺さった。





なんだか先生に無性に会いたくなり、帰る前に非常勤室に寄ってみるけどそこに夏目先生の姿はなく、四十歳くらいの女の先生がいるだけだった。



「…あら、たしかあなた、夏目先生と仲のいい…」



夏目先生に会いにしょっちゅう遊びにきているため、他の非常勤の先生にも顔が覚えられているみたいだ。