君の好きな人になりたかっただけ 〜報われない片想い〜

きっとこうでもしないと、ガードの固い先生が食べてくれることはない。


先生は卵焼きをゆっくりと咀嚼して、そして飲み込んだ。



「…少し塩が多いです。僕は甘党なので」



無表情のまま前を向いてしまった先生に、今すぐ抱きついてしまいたい衝動に駆られる。


それをグッと我慢して、笑顔で頷いた。



この人と付き合いたい、やっぱり今日もそう思った。





「ねえ、工藤さんって夏目先生と付き合ってるの?」


「え?」



帰りの支度をしていると、隣の席の酒井さんがふと思い出したようにそう聞いてきた。