君の好きな人になりたかっただけ 〜報われない片想い〜

「あのぉ…すみません…」



その先生は私の声でゆっくり振り返ると、形のいい唇を動かした。



「…新入生、ですか?」


「あ、はい…!教室の場所がわからなくて…」



すらりとした身長の先生が長い足を動かして目の前まで来ると、ぐっと身を乗り出してきた。



「一年生の教室ならすぐそこです」



私の頭の上から腕を伸ばし教室を指差す先生の胸がすぐ目の前にあり、不覚にもドキドキしてしまう。



「…あ、すみません。近すぎましたね」


「い、いえ…!ありがとうございます」



こんなにもドキドキするのは、この先生が整った顔立ちをしていて、クールで大人な色気が仕草や低い声から滲み出ていて、“男の人”をどうしても意識してしまうからだ。