君の好きな人になりたかっただけ 〜報われない片想い〜

「なにが…あったんだよ?」


「陽太が…信号無視して突っ込んできた車から、男子園児を助けようとして、それで…っ」



陽菜乃の奥に置かれていたベッドにそっと近づく。


顔にかけられている布を取ると、俺の知らない陽太がそこで眠っていた。



いつも眩しく笑っていた陽太は、もうこの世にいなかった。



「どうしよう…陽太が、陽太が死んじゃった…っ」



泣き崩れた陽菜乃に、掛けてやれる言葉なんて何一つ思い浮かばなかった。


いつも笑顔で輝いていた二人が、今はまるで知らない人のようだ。



「陽太ぁ…っ、陽太…」



これからだったというのに。陽太に負けたくないと初めて思ったのに。