君の好きな人になりたかっただけ 〜報われない片想い〜

「あはは、何やってんだか」



呆れた声を出しながらも、陽菜乃は熱い視線で真っ直ぐに陽太だけを見つめていた。



明るくていつも俺の手を取って勝手に走り出すような陽菜乃に、いつからか「好きだな」と思うようになり、だけどそれと同時に陽菜乃がいつも誰を見つめているのかすぐに気づいてしまった。


俺が陽菜乃に恋をしているように、陽菜乃は幼なじみの陽太にずっと恋をしている。



「…陽太って、すごいよな。何も考えてなくてバカでアホだけど、そんな陽太の周りにはいつも人がいて楽しそう」


「…うん。昔からそういうやつなんだよ。そこだけはすごいって私も思う」



陽菜乃だって陽太と似ている。


いつも明るくて笑顔が絶えなくて、そんな陽菜乃だからこそ男女問わずたくさんの人から好かれているんだ。



友達が陽太と陽菜乃くらいしかいない俺とは大違い。


きっと陽太が話しかけてくれなければ、俺は一生太陽なんて当たらない日陰で一人ひっそりと生きていただろう。