君の好きな人になりたかっただけ 〜報われない片想い〜

だって陽菜乃は俺の好きな人だから。



「仕方ねぇな。俺の使っていいぞ」



いいよ、と言う前に陽太が上ジャージを脱ぎ、陽菜乃の頭に被せた。



「な、陽太のはいらないー!だって…臭いもん!」


「はあ!?てめぇ、人に物借りといてなんだよそれ!」


「まあ…仕方ないから使ってあげる。感謝しなさいよ!」



陽菜乃がべーっと可愛らしく舌を出して、駆けて行った。


その横顔は、ほんのり赤く染まっていて嬉しそうにほころんでいた。



「なんだよあいつ…。感謝しなさいって、こっちのセリフだっつーの」



なあ?とおかしそうに笑いながら振り向いてきた陽太に、曖昧に頷く。