次に先輩が口にした言葉に、私の心臓はバクバクとうるさい音を立て始めた。
「…お前の、過去のこと」
「っ…」
どうして、急に過去の話を…?
だって、この前は私の過去を知らないって、
「知らないって言ったけど、ごめん。あれ、嘘」
「う、そ…?」
「本当は全部知ってる。何があったのかも、どうしてその白い髪と青い目を隠したがるのかも」
「なんでっ…」
「……俺、だから」
何が?何が俺だから、なの?
なんでそんな、申し訳なさそうな顔をしているの?
こんなにも、紐がもつれていくような、苦しい気持ちになってしまうのはどうして…?
「小学生の頃、白髪だおばさんだとか言って、髪に泥を付けたの、俺だから」
ドクッと、まるで心臓に休止符を打たれたような感覚だった。
上手く呼吸ができない。苦しい。
だったらなおさら、どうして私なんかのことを庇ってくれてたの?
今だってどうせ、そう思ってるんでしょう?なんで、なんでっ…